Linux技術者としてキャリアを伸ばしたいなら、避けて通れないのが 「LPIC」
筆者は独学約2か月半でLPIC-1からLPIC-3を取得しましたが、実はLPIC-1では2回落ちています。
しかし、その経験があったからこそ「どこでつまずくのか」「何を優先すべきか」が明確になりました。
この記事では、LPIC-1からLPIC-3までを最短で合格するための勉強法を、筆者の経験をもとにまとめています。
その中で独学に強い味方となる Udemy講座 や、受験前に知っておきたい Q&A も紹介します。
「非効率な学習はしたくない」「確実に一発で合格したい」という方は、ぜひ参考にしてください!

あくまで「最短で合格するための勉強法(=Linuxをマスターするよりも合格を優先する)」をまとめています。あしからず…
この記事の信憑性
筆者は以下のスケジュールで受験・合格しました。

LPICとは?どんな資格なのか
LPIC(Linux Professional Institute Certification)は、
Linux技術力を客観的に証明できる世界標準資格です。
3つのレベルに分かれており、順番に受験していく仕組みになっています。
| レベル | 試験内容 | 対象 |
| LPIC-1 | Linuxの基本操作、ユーザ管理、パッケージ管理など | 初学者〜実務1年目 |
| LPIC-2 | ネットワーク設定、サーバ構築、トラブルシュート | 中級エンジニア |
| LPIC-3 | セキュリティ、仮想化、高可用性など | 上級・設計者層 |
以下は試験概要です。
| 試験時間 | 90分 |
| 問題数 | 60問(選択式+記述式) |
| 合格基準 | 正答率 約65%前後(非公開) |
| 料金(税込) | LPIC-1:16,500円 LPIC-2:19,800円 LPIC-3:19,800円 |
| 受験場所 | ピアソンVUEテストセンター または オンライン受験 |
| 有効期限 | 5年間 |
LPICの試験勉強を始める前に(やらなくてもいい)
Linuxに初めて触れる場合は、概要をざっくり把握するのも良いですが、最短合格を目指すなら深入りはNGです。
筆者は一応以下の全てに軽く目を通す程度はやりましたが、受かったあとに振り返ってみれば、LPICに合格するだけであれば非効率でした。最短合格を目指すならむしろやらない方がいいです。
1週間でLPICの基礎が学べる本
- まずは最初の一冊
- 1日ずつ進める目安付きで初心者のモチベーション維持に有効
- 最低限の知識が分かりやすく書かかれていて、とっつきやすい
- 既にコマンド操作などの経験がある人には物足りないかも
【Udemy】1週間で「Linuxの基本操作と管理・運用スキル」が全て学べる講座(ウズカレ式)

- 「LinuC/LPICレベル1対応」と明言されている
- 総学習時間(約19.5時間)というボリュームがあり、それなりに学び応えがある
- 「文章だけで理解するのが苦手」という人にも優しい
- 資格対策中心というわけではなく、基礎を固める内容というスタンスなので、深掘りには別講座/別教材が必要
【LPI-Japan公式】Linux標準教科書

- 公式が無料で出している教科書
ここからが本題です↓
LPIC-1の勉強法
出題範囲が広く、勉強時間の8割はここにかかります。
まずは教科書として「黒本」を一周し、その後各問題集に取り組む流れで学習を進めましょう。
おすすめの教材を挙げます。
教科書(+問題集)
徹底攻略 LPIC レベル1教科書&問題集[Version 5.0]対応(通称:黒本)
- いわゆる小豆本よりも内容が新しく、理解しやすい
- Linux学習用仮想マシン環境のダウンロード提供あり
- 模擬問題の的中率が小豆本よりも高い
LPIC界隈では通称「小豆本」が有名ですが、小豆本は表現が分かりづらい部分があり、正直おすすめできません。巻末の模擬問題の的中率も悪いです。体感で3~4割ほど、小豆本には書かれていない問題が出題されます。
LPIC-1対策の教科書としては、小豆本よりもこちらの「黒本」をおすすめします。後で紹介する「スピマス」には記載されていない、よく試験に出る問題が黒本には載っています。
さらっと一周だけして、次のスピマスに取り組みます。
問題集
LPICレベル1スピードマスター問題集(通称:スピマス)
- どの体験記でも紹介されている有名な問題集
- 通称スピマス
- 問題の的中率が高い
LPIC-2までの勉強は、このスピマスの問題を解いていくのが中心になります。
問題の的中率がとても高く、巻末の模擬問題に至っては、60問中30問くらいは似たような問題が実際に出題されるくらいです。
ただ、たまに漏れているトピックもあるため、そこは次に紹介するUdemy問題集、touch-qで補完しておくと安心できます。
【Udemy】LPIC-1 Linux Certification 101 and 102 Practice Exams

- 6回分の模擬テスト構成(各50問ずつ)で、実際の試験に近い体験ができる
- 問題の的中率が高い
- 英語教材
普段Udemyを利用されている方は、こちらの問題集をぜひやってみてください。英語教材なので翻訳が必要ですが、的中率が驚くほど高いです。(ただしLPIC-2のバージョンは的中率が低い)
【Web問題集】touch-q

- 登録不要
- 無料で利用できる
- 日本語があやしいところはあるが、本番と全く同じ問題がある
無料でできるので、やっておくといいです。スピマスの漏れを補完できます。
【Web問題集】Ping-t(やらない方がいい)
- 101試験だけ無料
- それ以外は有料だが、月額制で他の試験も利用できるので総合的にみるとお得
- 解説は詳しい
- 的中率は低い
- 問題数は多いが、水増しされている感が否めない
Ping-tの合格体験記では「Ping-tだけで合格できました!」という投稿ばかりですが、それを信じて受験すると痛い目を見ます。いや、見ました…
筆者の場合、問題集はPing-tだけで勉強を進めていました。しかし実際に試験に挑むとPing-tでは見たことのない問題ばかりで、101試験には1度、102試験には2度落ちました…これでも一般にLPIC-1よりも難しいとされているAWS SAAやCCNAにはPing-tだけで一発合格してます。Ping-tについてはかなり信頼していた方だと思います。
Ping-tだけでは不十分だということで、色々と問題集を探していたところUdemyの問題集やtouch-qの存在を知り(スピマスは元々知っていましたが)、「え、最初からこれ使っとけば良かったじゃん…」とかなり後悔しました。
色々とPing-tを下げることを書きましたが、もちろんLinuxの理解をすることを第一目標にする場合(普通はそう)には、解説が詳しく、コマ問も用意されているので有用だと思います。
LPIC-2の勉強法
LPIC-2の勉強法は基本的にはLPIC-1と同じです。
教科書は不要で、問題集とひたすら進めていけば楽勝です。
おすすめの教材を挙げます。
問題集
Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.5対応
- やっぱり問題の的中率が高い
- 感覚として、30-50%くらいは本試験でも出題される
ということで、LPIC-2でもまずはスピマスをさらっと一周しましょう。
【Web問題集】touch-q

- LPIC-2まで無料で利用できる
- 日本語があやしいところはあるが、本番と全く同じ問題がある
LPIC-1の章で述べたとおり。
【Web問題集】学易(がくやす)
- 登録必要
- LPIC-2のバージョンは無料で利用できる
- 解説はない
- 的中率が高い
あまり紹介されていないですが、非常に有用なサイト。Web制作の初学者が最初に作るような見た目で少し不安になるようなサイトですが、的中率が高くおすすめです。スピマスの補完として利用できます。
【Udemy】LPIC-2 Certification Practice Tests: Ultimate Exam Readiness(やらなくてもいい)

- 4回分の模擬テスト構成(各60問ずつ)で、実際の試験に近い体験ができる
- 英語教材
LPIC-1の方は的中率は高かったので信頼していましたが、なぜかLPIC-2の方は的中率が低かったです。これまでに挙げた問題集だけでも十分に合格はできるので、こちらはやらなくてもいいです。
LPIC-3の勉強法
LPIC-3は、何も考えず学易をやりましょう。これ以上言えることはありません。
問題集
【Web問題集】学易(がくやす) LPIC-3 300混在環境
- 有料(6600円)
- 問題数は全120問
- 不合格になった場合の返金保証あり
全く同じ問題文というわけではないですが、全120問をそのまま覚えていけば必ず合格できます。(見た目が怪しいのでクレカの登録は不安でしたが、今のところ問題なさそう)
勉強法まとめ
最後に勉強法のまとめです。
- 目安:20h「黒本」を一周
- 40h「スピマス」を一周
- 45h「Udemy問題集」を一周
- 50h「touch-q」を一周
- 80h試験前にすべての教材を読み返す
- 目安:15h「スピマス」を一周
- 20h「touch-q」を一周
- 25h「学易」を一周
- 40h試験前にすべての教材を読み返す
- 目安:20h「学易」を三周
Q&A
LPIC試験に挑戦する際、受験者からよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. LPICとLinuCの違いは?
A1.
LPICは世界共通のLinux資格で、LinuCは日本国内向けです。
内容はほぼ同じですが、外資系や海外企業での評価を意識するならLPICがおすすめです。
Q2. LPICはLinuxの経験のない人でも合格できる?
A2.
合格できます。
どちらかというとLPIC試験はLinuxの基礎的な知識を問うものであり、高度な経験は問われません。そのため、IT業界への就職を目指す大学生をはじめとする「未経験者」からも注目されています。
Q3. LPIC試験の再受験にはどのようなルールがありますか?
A3.
LPICにはリテイクポリシー(再受験ポリシー)があります。
2回目の受験については、受験日の翌日から起算して7日目以降より可能となります。
3回目以降の受験については、受験日の翌日から起算して14日目以降より可能となります。
(例)
1回目の受験が不合格となった日:7/21 ⇒ 2回目の受験は最短で7/28
2回目の受験が不合格となった日:8/2 ⇒ 3回目の受験は最短で8/16
Q4. 同じ日に受験できる?
A4.
LPICの試験は、レベルごとに別の試験科目として提供されています。
LPIC-1は2科目(101と102)
LPIC-2は2科目(201と202)
LPIC-3は1科目または分野ごとに1科目
101試験と102試験、201試験と202試験は同日に受験することは可能です。
また、どちらを先に受験しても問題ありません。
Q5.LPIC-2の勉強でLPIC-1もカバーできる?
A5.
残念ながらカバーできません。
LPIC-1とLPIC-2では試験範囲が異なるため、それぞれ順序立てて勉強する必要があります。
(もちろん一部は重複しています。)
Q6.LPIC試験のクーポンはありますか?
A6.
色々なサイトで割引されたバウチャーを購入することができます。
楽天市場でも販売されており、買いまわり特典やSPUも適用されるので、楽天ユーザーはこちらがおすすめです。(楽天市場の領収書で経費落とせました。)
Q7.試験結果はいつわかりますか?
A7.
ピアソンVUEで受験する場合ですが、試験終了のボタンをクリックするとすぐに合否が表示されます。その後、紙でも受け取ることができます。


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